2006年09月03日

永遠の嘘をついてくれ

中島みゆき「永遠の嘘をついてくれ」

中島みゆきさんが、吉田拓郎さんのアルバム「Long time no see」に提供した曲です。
中島さんは、その後アルバム「パラダイス・カフェ」で、セルフカバーされました。

この曲は、タイトルにもあるように「嘘」がテーマになってます。
仕方の無い「嘘」。
そのどうしようもない、やるせなさを感じる曲です。
「ニューヨークは、粉雪の中らしい」
「成田からの便は、まだまにあうだろうか?」
「片っぱしから友達に借りまくれば」
「決して行けない場所でもないだろう、ニューヨークぐらい」

ニューヨークにでも行って、一旗揚げてみようか!

この主人公のきっと口癖なんでしょう。
酒を飲んでは、毎回同じこと言って、いかにも大きな夢を抱いてる様に振舞って。
ニューヨークさえ行けば、自分が変われる様な。
そんな妄想しては、自分を慰めてたり。
だけど!

「なのに永遠の嘘を聞きたくて、今日もまだこの街で酔っている」
「永遠の嘘を聞きたくて、今はまだ二人とも旅の途中だと」

そう、嘘。
永遠の嘘。

現実を真正面から見られない為に、嘘をつく。
現実を真正面から見られない弱さ。
そして、現実を変えることも出来ないジレンマ。

この一説は、主人公のものではなくて、もしかしたら恋人の言葉の様にも聴こえます。

主人公の男性(女性とも、とれるかな)は、人生の狭間で、もがいてます。
だけど、何も出来ない自分への歯痒さ。
その歯痒い自分に対して、必死に嘘で飾ろうとしてます。

「君よ永遠の嘘をついてくれ、いつまでもたねあかしをしないでくれ」
「永遠の嘘をついてくれ、何もかも愛ゆえのことだったと言ってくれ」

一見、甘えの様にも聴こえますが、辛い現実から開放されたい願望にも聴こえます。
多分、この主人公は、もっと若い頃、大きな夢があったのだと思います。
若い頃、その夢に向かって直向だったのでは、ないでしょうか。

しかし、夢、なかなか叶わなく生活していく為に生きていかなければならない。
いつの間にか、夢が何処かに行ってしまった。

そんな心境では、ないでしょうか。

「この国を見限ってやるのは、俺の方だと」
「追われながらほざいた、友からの手紙には」
「上海の裏町で病んでいると、見知らぬ誰かの下手な代筆文字」

これは、友人に対する嫉妬心が、表れてます。
勇気ある友人に対しての嫉妬です。
そして、その友人も志半ば状態。
そんな友人を見て、蔑んで、自分を慰めてる様にもとれます。

「傷ついた獣たちは、最後の力で牙をむく」
「放っておいてくれと、最後の力で嘘をつく」
「嘘をつけ永遠のさよならのかわりに」
「やりきれない事実のかわりに」

この一説は、主人公達の言葉でなく、語り手の中島みゆきさんの言葉でしょう。
辛い現実を嘘で繕う。
そうでもしなかったら、やりきれない程の現実。
これは、中島みゆきさんの、全ての世代に向けたメッセージなのかもしれません。

「例え繰り返し、何故と尋ねても、振り払え風のようにあざやかに」
「人は皆、望む答だけを聞けるまで、尋ね続けてしまうものだから」

夢と現実。
そのバランスを取るかのように人は嘘をつく。
嘘をついて現実を誤魔化してる全ての人に対する、暖かいメッセージです。

「君よ永遠の嘘をついてくれ」
「いつまでも種明かしをしないでくれ」
「永遠の嘘をついてくれ」
「出会わなければよかった人などないと、笑ってくれ」

嘘でもいいから、それでも慰められて、気持ちを楽にさせて…。

夢、叶うとか叶わないとか、そう言うことよりも、生きていかなければならない現実。
そんな現実の中で、生きていく厳しさ。
その厳しさに対し、この曲は、自分にとって、とても優しいです。
何処と無く、この曲には、優しい風が吹いてます。

その優しさに惹かれます。

吉田拓郎さんとのジョイントライブの映像↓


以下、Amazon.co.jpでの「永遠の嘘をついてくれ」を収録した、中島みゆきさんのCDの紹介です。
中島みゆき/パラダイス・カフェ

以下、吉田拓郎さんの「永遠の嘘をついてくれ」の収録されたCDの紹介です。
吉田拓郎/Long time no see
吉田拓郎/THE BEST PENNY LANE

吉田拓郎とかぐや姫のつま恋ライブDVD。
拓郎さんと中島みゆきさんとの 「永遠の嘘をついてくれ」も収録されてます。
Forever Young Concert in つま恋


中島みゆき - パラダイス・カフェ
ヤマハの音楽ダウンロードサービス『MySound』にて、中島みゆきさんの全曲をダウンロード出来ます。

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この記事へのコメント
こんにちわ。ツアーでも歌ってましたよね、確か。。『とっても字余りな曲です』と紹介してた気がします。この曲も想像膨らみますよね。
Posted by あや at 2006年09月05日 12:39
あやさん、こんばんは。

この時のツアー、実は行けなかったんですよ!
後で、曲目とか確認したら「激情」「化粧」「かもめの歌」等、未だに生で聴いたことの無い曲まで。
なので、この「永遠の嘘をついてくれ」は、未だ生で聴いたことがないです。
大好きな曲なのに。
凄く後悔してます。
Posted by 黄色い犬 at 2006年09月06日 18:46
『つま恋』バージョンを覚えて母親と二部合唱してます。(私が中島パート)
この歌詞は円熟味が出てくると共に良さが分かるらしいです。だから私にはまだまだ実感が沸きません。。。これからこれから,,,。。。
Posted by ひばり吹雪 at 2007年02月03日 22:11
この曲は、人間味のある曲です。
人間の弱さとか悲しさとか、情の様なもの感じます。

大人の辛さがテーマにもなってるような。
人生の要所要所で、きっと流れてくる曲になると思いますよ。
Posted by 黄色い犬 at 2007年02月03日 22:57
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Excerpt: 最近は戯言しか言えなくなってます(笑) 意外と戯言考えるのがおもしろかったりして ちょっと病み付きだったり・・・ つま恋2006、BSで録画して見てたんだけど 演ってる方も観てる方も、..
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