2006年09月07日

蕎麦屋

中島みゆき「蕎麦屋」

中島さんのアルバム「生きていてもいいですか」に収録されてます。
この「生きていてもいいですか」は、一番中島みゆきらしい!と言うか、世間的イメージのアルバムかもしれません。
これ程、真っ暗いアルバムって、他に無い様な気がします。

で、「蕎麦屋」です。
当時レコードで聴いてて、A面最後に入ってました。

「世界中が、誰もかも、偉い奴に思えてきて」
「まるで自分ひとりだけが、要らないような気がする時」

のっけから物凄く重いです。
でも、この気持ち、凄くわかります。
自分もありました。
何度も何度も感じました。

その度、この「蕎麦屋」を思い出すのです。

この感覚、誰にでもあるんじゃないだろうか?
ふと、思います。

「あのね、わかんない奴もいるさって」
「あのね、わかんない奴もいるさって」
「あんまり突然云うから、泣きたくなるんだ」

言葉に出来ない感情です。
この主人公も困惑してます。

空虚な気持ち、ネガティブな気持ちの時。
友人に誘われて、蕎麦屋へ。
何も知らない友人は、笑い話をして…。
そして突然、トラウマを突く様な友人からの言葉。

これが、この曲のストーリーです。
もしかしたら、友人が落ち込んでる主人公を励まそうとして、なんとか明るくなってもらおうとしているのかもしれません。

「あのね、わかんない奴もいるさって」

この言葉に主人公は、傷付きます。

「わかんない奴」

なんとなく自分のことを言われてるような気がして…。

「悔し涙を流しながら、あたしたぬきうどんを食べている」
「お前は丼に顔つっこんで、お前は丼に顔つっこんで」
「駄洒落話をせっせと咲かせる」

この友人主人公の気持ちまで、汲み取っていない!とも取れますが、あえて知ってて気にしない振りしてるのかもしれません。
無神経なのか、もしかしたら優しさなのか?
わかりません。

個人的願望として、「優しさ」と取ってみたいです。
相手を励まそうとしているのに、うっかり傷つける様なこと(本人そのつもり無く)を言ってしまった。
それを取り繕うと冗談話を続けて…。

違うかな?

「風は暖簾をバタバタなかせて」
「ラジオは、知ったかぶりの大相撲中継」

この何度も繰り返すサビの部分、好きです。
曲の緊張感を和らぐ効果が、この部分に感じます。
それに時間の流れ、世の中の流れ、人々の流れ…。
いろんなこと連想させてくれますね。

何となく、独りになりたくて、孤独感を抱いて…。
ネガティブな心持になった時に、そっとこの曲を今でも聴いてます。


以下、Amazon.co.jp
にて、「蕎麦屋」が収録された中島みゆきのCDの紹介です。
中島みゆき/生きていてもいいですか

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この記事へのコメント
こんにちは!

「蕎麦屋」・・・地味ですが味わい深い曲ですよね。
冒頭の部分、確かに重いですが、私も常に感じることであり、誰もが一度は思ったことがあることではないのでしょうか?

それに加え、この曲の情景描写・・・。
どんな蕎麦屋さんなのか、想像を張り巡らせます。

「生きていてもいいですか」というアルバム自体が私にとって心の処方箋的なアルバムです。
中古を買ったら歌詞カードが破り取られていたので、結局新品でも買いました。
なのでこのアルバムは2枚持っています。
私にとって特別なアルバムです。
Posted by 刹那 at 2006年09月08日 20:12
刹那さん、コメントありがとうございます。

この「蕎麦屋」情景描写、凄いと思います。
私も、どんな蕎麦屋か?と想像してます。
なんとなく寂れた通り、賑やかな通り。
いろいろ想像してしまいます。

ラジオ、暖簾、この辺りのモチーフの使い方、好きです。

「生きていてもいいですか」
初期の傑作ですね。
このアルバムのせいで「暗い」のイメージが更に定着したようにも思えますが、徹底して、中島みゆきの世界を追及したアルバムだと思います。
Posted by 黄色い犬 at 2006年09月09日 22:46
「蕎麦屋」、この主人公のように、自分が卑小に思えることって案外少なくないんじゃないかと思います。
この歌、結構好みでよく聞いているんですが、「あのね、わかんない奴もいるさって」の一連の解釈について提起できるのではと思い、以下記します。

何らかの理由でうちひしがれた主人公の許に友人から「そばでも食わないか」と電話が来て、結局、蕎麦屋に二人で行くことになります。
こちらは凹んでいるのに、友人は明るく「あいつの失敗話にけらけらわらって」いる。
こちらの【気も知らず】に賑々しかった友人が突然ぽつりと「あのね、わかんない奴もいるさ」と呟くんです。

つまり、この「わかんない奴」は主人公が気落ちする原因となった誰か(上司か、片恋の相手でしょうか)のことだろうと思うんです。
恐らく友人は主人公が気落ちしているのを知り、素知らぬ振りをして「そばでも食わないか」と誘い、むやみに明るく振る舞ったのではないか。
そして、どうにか主人公を慰めようと考えている様子が、「どうでもいいけどとんがらしそんなにかけちゃよくないよ」という歌詞で表されているのでしょう。唐辛子の瓶を振りながら、どういう言葉を掛けたものかと悩む友人が目に浮かぶようです。
そして「あのね、わかんない奴もいるさ」という言葉の裏には、(他の誰が分からなくたって、僕は君の価値を分かっているよ)という想いがあります。

だからこそ、自分を認める台詞をいきなり聞いた主人公は「あんまり突然云うから泣きたくなるんだ」となるのでしょう。

これ以上は蛇足でしょうからここで書き止めます。
この歌に耳を傾ける同好の士がいて嬉しく思います。
Posted by 枕 at 2007年03月23日 20:01
私も友人については『優しさ』って思いたいです。私もそういうのには遠回りで触れようとするのですがそれが,“優しさ”になるのかただの“邪魔者”扱いになるのか・・・そこら辺が分かりません。上の方も書かれてることやこの記事と私も同じ解釈をしたので特に述べる事は有りませんが<私が書くと混乱されるでしょうし・・・>『蕎麦屋』という曲を初めて知ってあっという間に好きになってしまったのは事実で一番共感させられるのかも!とも思いました。
Posted by ひばり吹雪 at 2007年03月23日 22:09
枕さんへ
はじめまして、かな?
解釈が深いですね。
「とんがらし」の部分まで、思い付きませんでした。
友人は、主人公慰めようとして、どう言葉をかけて良いかわからず…。
なるほど!と思いました。
又、何か解釈ありましたら、コメント頂けたら嬉しいです。

ひばり吹雪さんへ
やはり優しさでしょうね。
この「蕎麦屋」には、独特の優しさを感じます。
この曲は、大人になってからでも、充分リアルタイムで心に響く曲です。


Posted by 黄色い犬 at 2007年03月25日 22:26
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