2007年01月30日

歌姫

中島みゆき「歌姫」

1982年のアルバム「寒水魚」の最後に収録されてます。
この「歌姫」も中島みゆきさんの名曲として名高いです。

アルバム「寒水魚」は、1982年当時オリコンの年間アルバムチャートで1位を記録しました。

「淋しいなんて、口に出したら」
「誰もみんな、うとましくて、逃げ出してゆく」
「淋しくなんか、ないと笑えば」
「淋しい荷物、肩の上で、なお重くなる」

「せめておまえの歌を、安酒で飲みほせば」
「遠ざかる船のデッキに、立つ自分が見える」

「歌姫、スカートの裾を、歌姫、潮風になげて」
「夢も哀しみも欲望も、歌い流してくれ」


中島みゆきさんらしいテーマな曲です。
やはり「夢」がキーワードになっていると思います。
その「夢」を捨てきれないで、もがいている主人公を連想させます。
「夢」の為に必死で生きている主人公の様な気がします。

「遠ざかる船のデッキ…」

これは、何を意味するのか、当時からいろんな議論を呼んでいました。
いろんな音楽誌にいろんな評論が載っていたのを記憶してます。
ふるさと行きの船でしょうか?
「夢」を捨てて帰っていく自分を想像している主人公かもしれません。


「南へ帰る、船に遅れた」
「やせた水夫、ハーモニカを、吹き鳴らしてる」
「砂にまみれた、錆びた玩具に」
「やせた蝶々、蜜をさがし、舞いおりている」

「握りこぶしの中に、あるように見せた夢を」
「遠ざかる誰のために、ふりかざせばいい」

「歌姫、スカートの裾を、歌姫、潮風になげて」
「夢も哀しみも欲望も、歌い流してくれ」


港、波止場をイメージさせます。
主人公は、波止場に居るのでしょうか?
それとも遠ざかる船のデッキから、波止場を眺めているのでしょうか?
それとも帰りそびれた水夫が主人公なのでしょうか?

ここも当時いろいろと議論された部分です。
この水夫、船に乗り遅れた、或いは直前まで迷って乗れなかった!
要は帰れなかった心の象徴の様な気がします。
第三者的に傍らで、その水夫を観察している主人公の心かもしれません。
やはり、ふるさとに帰らない(帰れない)心の象徴だと思います。


「男はいつも、嘘がうまいね」
「女よりも子供よりも、嘘がうまいね」
「女はいつも、嘘が好きだね」
「昨日よりも、明日よりも、嘘が好きだね」

「せめておまえの歌を、安酒で飲みほせば」
「遠ざかる船のデッキに、たたずむ気がする」

「歌姫、スカートの裾を、歌姫、潮風になげて」
「夢も哀しみも欲望も、歌い流してくれ」


3番の歌詞では、何か癒し的な印象を与えます。
主人公は、孤独じゃなく恋人が近くに居る印象です。
「夢」と言う大義名分を翳す男と、その大義名分をそっと支える女。
そんな印象を受けます。


「握りこぶしの中に、あるように見せた夢を」
「もう二年、もう十年、忘れすてるまで」

「歌姫、スカートの裾を、歌姫、潮風になげて」
「夢も哀しみも欲望も、歌い流してくれ」




この「歌姫」も当時、たくさんの議論を呼びました。
抽象的な歌詞に見え隠れするテーマを当時いろんな評論家をはじめ各メディアでも取り扱われました。
この曲は、この1982年当時よりも、その後、中島さんが数々の楽曲を生み出した今の方が、理解されやすい様な気がします。

その後の「ファイト!」「白鳥の歌が聴こえる」「ミュージシャン」「ローリング」「ヘッドライト・テールライト」にこの「歌姫」と同じような要素を見つけることが出来ます。
或いは、初期の「時代」、同じ「寒水魚」に収録されている「時刻表」や最近(2006年)の「重き荷を負いて」にも通じる曲です。

今も尚生き続けている曲だと思います。


寒水魚
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
中島みゆき(アーティスト)
発売日:2001-04-18
おすすめ度:4.5


2004年に新たに歌い直されてます。
いまのきもち
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
中島みゆき(アーティスト)瀬尾一三(Adapter)
発売日:2004-11-17
おすすめ度:4.5


スタジオライブ音源です。
中島みゆきライヴ! Live at Sony Pictures Studios in L.A.
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
中島みゆき(アーティスト)瀬尾一三(Adapter)
発売日:2005-03-23
おすすめ度:4.5


中島みゆきライヴ!
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
中島みゆき(アーティスト)
発売日:2005-03-23
おすすめ度:4.5



中島みゆき
ヤマハの音楽ダウンロードサービス『MySound』
にて、中島みゆきさんの全曲をダウンロード出来ます。

ランキングに参加してますので、記事が気に入った時にでも、クリックしてもらえると嬉しいです。
人気blogランキングへ
 iTunes Music Store(Japan)
この記事へのコメント
みゆきさんの歌には
昔からよく船や汽車に乗り損ねてますねー

思い望んでいた幸せな人生から
はずれてしまったって感じで・・・

自分も昔から乗り損ねてばっかしなので
みゆきさんを聞いて
安酒を呑んで、酔っぱらって
果たせなかった「遠ざかる船のデッキに、たたずむ気」になってるんだと思います。

Posted by yossy at 2007年01月31日 08:21
ヤマハのCMでライブ映像と共に流れていた時に聞いたのが初めてです。このときは『中島らしいなあ』としか思わなかったのですが。。。
フルコーラスで聞いてみると実に深く壮大な曲だなあと。多分,20代で作った曲なのでしょうけど若くからこういう曲がかける中島先生は凄いと思います。難しい表現も合って戸惑う事もあるし,わかったとしてもそれをどう伝えればいいか分かりません。でも,不可思議な中にピュアで清涼感のある中島があるなあと思いました。
Posted by ひばり吹雪 at 2007年01月31日 21:41
yossyさんへ

「ホームにて」や「波の上」も帰り損ねた心境を歌ってますね。
この何て言うか、もどかしさの様な気持ちでしょうかね。
そう言った心境を歌った曲が、多いですね。

ひばり吹雪さんへ

この「歌姫」は、当時物凄く人気がありました。
海を感じさせる壮大な曲ですね。
まさに天才中島みゆきの名曲でしょう。
Posted by 黄色い犬 at 2007年02月01日 00:30
いまのきもちで『歌姫』を歌い直しちゃイカン!と思ったな。自分の中で『寒水魚』というアルバムは完璧なんで。

まだ『捨てるほどの愛でいいから』がなかったからよしとしておこう(爆)。
Posted by ブリ at 2007年10月03日 18:41
「いまのきもち」の歌姫に慣れるまで時間かかりますね。
長い間「寒水魚」の「歌姫」のイメージが強かったので!

別の曲と思って聴くのが良いかもしれません。
Posted by 黄色い犬 at 2007年10月03日 20:38
一言一言の深さ、情景描写の巧みさ、みゆき嬢感服します。
〜スカートの裾を潮風に投げて〜歌姫の描写としてこれ以上の言葉があるでしょうか。
゛痩せた水夫´゛痩せた蝶々´太っていてはだめなのです。
この曲を聴いた時、私は高2でした。
みゆき嬢は当時27、28歳位でなかったかと思いますが、私が27、28歳になった時こんな唄を思い付くだろうかと絶望感を味わた事を憶えています。
〜握りこぶしの中にあるように見せた夢を、もう2年もう10年〜このフレーズ20を過ぎてからグサグサ来ます。天才ですね、みゆき嬢は。
Posted by mm at 2013年03月28日 22:01
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。